Aerodynamics of formula 1(フォーミュラ1の空気力学)
Category: つぶやき
(導入部のみ)
RUSH(ラッシュ/プライドと友情)の公開によって、1970年代のフォーミュラ1が懐かしいとか、カッコ良いとか、
ちょっとした解説を行ってみます。
まずは、F1って、普通のクルマと大きく異なるのが、そのいろいろと付いた羽根
飛行機のそれと反対に、地面にクルマを押し付けるようになっています。
1960年代の後半にウイングによる優位性が判明しました。
(ダウンフォースと呼び、それを以下に得るかでクルマの速さが変わってくるようになりました。)
そんな中、ウイングだけじゃなく、ボディ全体でもダウンフォースを得るように出来ないか?

そのようなコンセプトで、作られたのが、ロータス72、フロントノーズを三角形にして、その上面でもダウンフォースを得ようとしました、(従来ノーズの先端に置いてあったラジエターを分割してマシンサイドの左右に配置しました)
(左と右は、年式が異なり、スポンサーカラーも違いますが、同じロータスで、進化の度合いによって(左のほうが古いです)ボディーワークが異なります。フロントウイングの翼端板、リヤウイング、インダクションポッド等
ジェームス・ハントの乗って居た、マクラーレンのM23はまさに、この車を模倣して作られ、コーナリングの更なる向上を求め、タイヤの取り付け位置による全幅は、レギュレーションいっぱいまで広げられてました。
世の中には、流行りに乗るのが好きな人と、嫌いな人の二通りがいまして、
フロントノーズの左右にウイングを取り付けるよりも、もっとウイングの幅を広げれば・・・

ラウダのフェラーリ312Tがこの形状、もちろんフェラーリがそのオリジナル
画像のペンスキーのほうが模倣です。
なぜにわざわざペンスキーを持ち出したかといえば、
ウイングでダウンフォースを得ると、代りに、空気抵抗も増すのは当然で、
それを嫌がって、スポーツカーノーズというものも存在しました。

ウイング無し、ノーズ全体の上面を流れる空気を跳ね上げることで、ダウンフォースを得るというコンセプト
ストレートスピードの低下を防ぐのが目的だったように思います。
というのも、フォードコスワースDFVというエンジンを多くのチームが使っていましたので
(もちろんフェラーリは自社製のエンジン)、エンジンパワーは同じようなもの、それなら、ボディーで差をつけようとしていたのです。

このノーズの選択に関しては、優位性も含め、微妙だったらしく、ペンスキーも
上の二枚がPC3、すぐ上の1枚がPC4というように、どっちも取り付け可能だったり、昨年と今年で違ってるとか、
当のチームも迷ってしまうような有様だったようですね。
ただ、ここまでは、マシンの上を流れる空気に注目して、居たのですが、
(厳密に言えば、ウイングノーズはウイングの下を流れる空気によってダウンフォースを得るのですけど)
1977年に画期的なマシンが登場します。(映画が1976年の話ですからその翌年)

ロータス78です。
ロータス72でラジエターを左右に分割配置した・・・それを収めた、ボディサイドの形状を整え、ボディサイド(サイドポンツーン)と呼びます、をウイング形状にして、そのボディでもダウンフォースを得ようとしたのです。
それにより、マリオ・アンドレッティは最多のシーズン4勝をあげます(チャンピオンは復活したラウダ)
そして、そのロータス78のボディをさらに極め、マシン後方下部のボディワークも整え、空気の流れを妨げないようにしボディと地面の間を流れる空気を速め、さらにダウンフォースを強めることに成功したロータス79によって、
マリオとロニーのコンビは快進撃を続け、チームは圧倒的な差を見せつけ、マリオはドライバーズチャンピオンになります。(ただ、ロニーの事故死という悲劇にも見舞われましたが)

このロータス79は、史上最も美しいF1マシンの一つに数えられるであろう車で(自分的には)
そのコンセプト(マシン下を流れる空気に着目した)のは今現在のF1にも受け継がれている技術なのです。
ということで、RUSHに登場するF1が多種多様な形状をして、カッコ良く見えるのは、
F1における、エアロダイナミクスの過渡期に当たって、各デザイナーがいろいろとアイディアを試していた時代であり、コンピューターも能力が低く、かなりの部分が手作業で行われていた時代だったからなのです。

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んと、最期に、なりますけど、その時代のF1で一番と思っている、このクルマ
ブラバムBT45アルファロメオ
左1976、右1977
RUSH(ラッシュ/プライドと友情)の公開によって、1970年代のフォーミュラ1が懐かしいとか、カッコ良いとか、
ちょっとした解説を行ってみます。
まずは、F1って、普通のクルマと大きく異なるのが、そのいろいろと付いた羽根
飛行機のそれと反対に、地面にクルマを押し付けるようになっています。
1960年代の後半にウイングによる優位性が判明しました。
(ダウンフォースと呼び、それを以下に得るかでクルマの速さが変わってくるようになりました。)
そんな中、ウイングだけじゃなく、ボディ全体でもダウンフォースを得るように出来ないか?


そのようなコンセプトで、作られたのが、ロータス72、フロントノーズを三角形にして、その上面でもダウンフォースを得ようとしました、(従来ノーズの先端に置いてあったラジエターを分割してマシンサイドの左右に配置しました)
(左と右は、年式が異なり、スポンサーカラーも違いますが、同じロータスで、進化の度合いによって(左のほうが古いです)ボディーワークが異なります。フロントウイングの翼端板、リヤウイング、インダクションポッド等
ジェームス・ハントの乗って居た、マクラーレンのM23はまさに、この車を模倣して作られ、コーナリングの更なる向上を求め、タイヤの取り付け位置による全幅は、レギュレーションいっぱいまで広げられてました。
世の中には、流行りに乗るのが好きな人と、嫌いな人の二通りがいまして、
フロントノーズの左右にウイングを取り付けるよりも、もっとウイングの幅を広げれば・・・

ラウダのフェラーリ312Tがこの形状、もちろんフェラーリがそのオリジナル
画像のペンスキーのほうが模倣です。
なぜにわざわざペンスキーを持ち出したかといえば、
ウイングでダウンフォースを得ると、代りに、空気抵抗も増すのは当然で、
それを嫌がって、スポーツカーノーズというものも存在しました。

ウイング無し、ノーズ全体の上面を流れる空気を跳ね上げることで、ダウンフォースを得るというコンセプト
ストレートスピードの低下を防ぐのが目的だったように思います。
というのも、フォードコスワースDFVというエンジンを多くのチームが使っていましたので
(もちろんフェラーリは自社製のエンジン)、エンジンパワーは同じようなもの、それなら、ボディーで差をつけようとしていたのです。

このノーズの選択に関しては、優位性も含め、微妙だったらしく、ペンスキーも
上の二枚がPC3、すぐ上の1枚がPC4というように、どっちも取り付け可能だったり、昨年と今年で違ってるとか、
当のチームも迷ってしまうような有様だったようですね。
ただ、ここまでは、マシンの上を流れる空気に注目して、居たのですが、
(厳密に言えば、ウイングノーズはウイングの下を流れる空気によってダウンフォースを得るのですけど)
1977年に画期的なマシンが登場します。(映画が1976年の話ですからその翌年)

ロータス78です。
ロータス72でラジエターを左右に分割配置した・・・それを収めた、ボディサイドの形状を整え、ボディサイド(サイドポンツーン)と呼びます、をウイング形状にして、そのボディでもダウンフォースを得ようとしたのです。
それにより、マリオ・アンドレッティは最多のシーズン4勝をあげます(チャンピオンは復活したラウダ)
そして、そのロータス78のボディをさらに極め、マシン後方下部のボディワークも整え、空気の流れを妨げないようにしボディと地面の間を流れる空気を速め、さらにダウンフォースを強めることに成功したロータス79によって、
マリオとロニーのコンビは快進撃を続け、チームは圧倒的な差を見せつけ、マリオはドライバーズチャンピオンになります。(ただ、ロニーの事故死という悲劇にも見舞われましたが)


このロータス79は、史上最も美しいF1マシンの一つに数えられるであろう車で(自分的には)
そのコンセプト(マシン下を流れる空気に着目した)のは今現在のF1にも受け継がれている技術なのです。
ということで、RUSHに登場するF1が多種多様な形状をして、カッコ良く見えるのは、
F1における、エアロダイナミクスの過渡期に当たって、各デザイナーがいろいろとアイディアを試していた時代であり、コンピューターも能力が低く、かなりの部分が手作業で行われていた時代だったからなのです。

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んと、最期に、なりますけど、その時代のF1で一番と思っている、このクルマ
ブラバムBT45アルファロメオ
左1976、右1977
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当時を知らない世代なわけですが、70年代~90年代前半にかけての人気が高いのもうなずけます
これぞF1!!っていう世界ですね
この時代のロータスは時代の先駆者ってイメージがありますが、はたして今年のロータスはどうなることでしょう?